債権回収

債権回収

商品を売ったり、工事を完成して引き渡した場合、相手方に代金を支払ってもらうということは当然の権利です。ところが、企業間取引では、掛けで決済されることが多く、債権を回収できない事態が容易に発生します。企業では、取引先からの支払いを運転資金に回して経営が行われており、未回収の債権の増加は経営を揺るがすことにもなりかねません。債権回収は経営の最重要課題です。

福井スカイ法律事務所では、債権回収業務を多数行っており、債権執行、不動産強制競売等の強制執行手続についても豊富な実績を有しております。債権回収をご検討の場合は、ぜひご相談ください。

債権回収業務

債権回収手続きの流れ

権回収の依頼を受けた場合、企業の担当者から事情を聴取し、契約内容の分析・検討を行います。相手方に対する請求権が間違いなく存在し、すでに弁済期が到来していることが確認すると、以下の流れで回収手続を進めます。

当できるだけ速やかに、代金を支払わない相手方に対し、催告書を内容証明郵便で送付します。 弁護士名で支払期限を明記して催告書を送付することで、相手方が支払いに応じることも多くあります。
仮差押とは、債権者が債務者に対して訴訟をしてその後に債務者の財産に対して強制執行をする場合に、債務者がその財産を処分して将来の執行ができなくなることがないように、予め債務者の財産を保全しておく手続です。
仮差押は、債権者が裁判所に申立てを行います。裁判所は、被保全債権の有無、保全の必要性を判断して、仮差押命令を発令します。
仮差押の手続は、債務者に気づかれないように秘密裡かつ迅速に行うのが原則です。相手方に資産があることが判明している場合は、民事保全手続の可否を検討します。
相手方の財産に強制執行を行うためには、裁判所の判決、支払督促等の債務名義を取得する必要があります。
  したがって、裁判所に売掛金請求の民事訴訟などを提起し、勝訴判決を得る必要があります。
債務名義を取得すると、相手方の資産に応じて、不動産強制競売、債権差押命令申立などの強制執行を行います。
債権執行は、債務者は保有している預金債権、給料債権などに対して、差押えをすることをいいます。裁判所に債権差押命令申立を行うと、裁判所は、申立てに理由があるかを判断したうえで、差押命令を発し、債務者と第三債務者に送達します。債権差押命令が送達された日から1週間を経過したときは、債権者は自ら債権を取り立てることができます。
その他の方策

相殺

相殺とは、相手方に対して同種の債権を有している場合に、双方の債権を対当額で消滅させる意思表示をいいます。
代金の請求先である相手方から、物品の購入やサービスの提供を受けて、支払いを延ばし、相手方に信用不安が生じた場合に、反対債務をもって相殺して回収するという方法です。
このように、相殺は担保的機能を有しており、反対債権を有している場合は、非常に迅速に債権を回収することができることになります。

商事留置権

商事留置権とは、商行為によって生じた債権が存在し、弁済期が到来しているときは、債権者は債務者所有の物を債権の支払いがなされるまで引渡しを拒むことができる法定担保権です。相手方の物を保管している債権者は、その引渡しを拒むことで、弁済を促すことができるのです。

実践的な対策

各種調査の重要性

債務名義を取得したとしても、相手方が財産を保有していない場合や財産の所在を把握できない場合は、強制的に債権を回収することはできません。相手方が資金繰りに窮して支払いの応じない場合は、勝訴判決があっても何ら回収できない場面が頻繁に生じます。
このような事態に陥らないためには、事前の調査が極めて重要です。
たとえば、法人の登記事項証明書を取得すれば、代表取締役の自宅住所も確認できます。不動産の全部事項証明書を取得すれば、担保権設定の有無が確認できます。さらに、民間信用情報機関の企業財務情報等を確認して、経営状態を知ることも可能です。事前のこのような調査が、債権回収の結果を大きく左右します。

担保の設定

契約締結の際、担保権を設定することも有効です。不動産に抵当権等が設定できれば申し分ありませんが、物的担保が設定できない場合でも、連帯保証人などの人的保証の設定を求めることも大切です。
連帯保証人は、主たる債務者と連帯して同一内容の債務を負担することになります。保証契約は書面で行わなければ効力を生じませんので、必ず書面を作成し、印鑑証明書の提出を求めるなど、保証意思のあることを証拠に残すことが重要です。