遺言相続

遺産分割事件における使途不明金

2019.07.03

相続人の一人が、被相続人の生前に、被相続人名義の預貯金を払い戻していた場合など、使途不明金が争点となることがあります。預貯金の使途、金額、払戻の時期などをめぐって、各相続人の主張の対立が深刻なものとなり、審理が長期化することも多いです。

遺産分割調停の対象となる遺産は、被相続人がなくなった時点で所有していて、現在も存在するものになります。使途不明金は、分割の対象となる財産がありませんので、遺産分割調停の対象にならないのが原則です。

本来は、不当利得返還請求訴訟や損害賠償請求訴訟といった民事訴訟を提起し、解決を図ることになります。

もっとも、当事者全員の合意によって、使途不明金の取扱いについて方針が決まれば、遺産分割調停の中で取り扱うことができます。